2012/01/01

新年への課題

2011年、文字通り最後の日となりました。3.11大震災以来、多くの方々に祈り支えていただきました。また具体的な支援において協力いただき、心から感謝を申し上げます。同時に被災地においては、見ず知らずの私たちを信頼し、受け入れてくださり、さらに支援を必要としている方々を紹介していただき、関係が広まっていることに感謝したいと思います。そして何よりも支援する側、受ける側といった関係ではない、互いに支え合う隣人としての信頼関係が築かれつつあることに感謝したいと思います。

先週20日(火)大森地区、21日(水)戸倉地区の波伝谷仮設での「クリスマス茶会」を行いました。24日(土)には升沢、米広、大森、中瀬、岩沢等を訪問しました。「クリスマス茶会」としては、今回は二箇所だけになりましたが、次につながる機会になったと思います。

大森地区は直接の津波被害を免れた在宅の方々で、どちらかと言えば支援に回った方々です。しかし、身内や親戚の中に津波被害を受けた方々がおります。優先順位があるものの支援を必要とした方々でもあります。ただ、完全に流された方々と比べれば回復は早いように思います。私たちの願いはこの地元の方々を通して、彼らの関係者で支援を必要としている方々への支援が展開できるようになればと願っています。今回の「クリスマス茶会」は単にお楽しみ会だけではなく、共に「支援の在り方について」意見交換をすることを目的としました。この大森地区でまとめ役を引き受けてくださった佐藤源六さんご夫妻の声がけで、班ごとに奉仕してくださった方々に、自由に集まっていただきました。

この地区に対する支援が皆無ではありません。問題は届く支援が地域の皆さんに、誰もが納得できるような仕方で届いているかどうかです。具体的な状況は分かりませんが、一部の方に片寄ったり、必要としている方に届かなかったり、支援をする、しないの原則が明確でなかったりと、むしろその支援のゆえに住民間の信頼関係が崩れてしまうという、とても残念な結果が生じていることです。いわゆる人道支援の限界であろうと思います。支援は単に物の提供に留まらず、心の問題も並行して行われなければと思います。

ますます疑心暗鬼に陥らないためにも、共に集まり、みんなが率直に意見交換ができる環境が必要です。この大森地区はおよそ半分は津波に流されました。そしてコミュニティーセンターも流されました。地区住民が共に集まる場所がありません。そのために互いに意見を交換したり、意見を聞き合ったりすることができず、結果として共に再建していこうという機会を逸しているのです。この状況を何とか克服する術はないかと、問われました。これは一つの支援グループではなく、行政の責任領域かもしれません。要望を含め、仮設の建物でも、共に集まる場所の実現のために知恵を尽くしたいものです。

同じ地域住民が揃って居住している仮設住宅は、そう多くありません。そうした状況で、一つの地区共同を築いていくことは容易でありません。それだけに大森地区のようにもともとあった地域共同体が、逆に支援のゆえに崩れるとしたら非常に残念なことです。新しい年、知恵を尽くさなければならない支援の一つです。(続く)

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