2011/04/15

創造的支援

救援物資による支援も教会を拠点にその地域に届けられる仕組みは着実に広がっているように思います。同時に、継続的な支援を考えると、これまでと同様、本当に必要な人に救援物資を届けられるためにはより確かな情報を得る必要があります。それには、自らの足で被災地を歩き、必要を見つけ出すほかはないようです。あるいはそのように動いている方から情報を得ることです。

仮に、今日、明日どうするかの緊急時の中に置かれているときは、なにがしかの救援物資を手渡すことができます。しかし、命をつなぐ支援を受けた方でも、住宅を失った人であったり、あるいは後片付け、掃除をすれば住めるようになる方であれば、かつてのように日常生活を取り戻す、失った生活用品を取り戻すには相当の資金を必要としています。とりわけ自力で自分の生活を再建できる見通しが立つようになる、あるいは再建しようと心が動き出すまで、様々、有効な支援が求められます。

お会いして被災状況を聞くと本当に気の毒です。一人の被災者の情況を聞くだけで、いったい自分たちに何ができるのかと途方に暮れます。仮にこのような大震災でゼロになった方々、また1000万円とか2000万円、何千万の借財が残った人たちであれば、その先に抱える課題の解決策までは見通すことは容易ではありません。何をもっとも必要としていますか、との問いに「お金です」と応えるのは正直なところ、本当であろうと思います。

災害復興支援SBSネットワークを介しても支援金が届けられています。原則に従って速やかに届けるようにしています。もちろんできる範囲は限られています。

そうした中で温泉に招待する取り組みはこの時点で、もっとも喜ばれる取り組みのひとつのようです。この近くの秋保温泉にしても、作並温泉にしても宿泊客の来る前の日中に日帰り温泉を提供しています。それを利用して避難所や被災地の人たちを温泉に送り迎えするボランティアは大いに喜ばれています。すでに何百枚もの入浴券と送り迎えの車を用意してくださった方もいるようで、実際にその取り組みが始まっています。今この時の温泉浴は、損失や負債はなくならないけれど、その課題に向かって生きようとする活力は生まれます。

岩手の教会でも被災地から温泉一泊の支援を始めようとしていることを聞きました。迎える温泉旅館やホテルにも経済的波及効果も生まれるような取り組みをしようとしています。理想的な取り組みです。このために献げてくださる方がいるなら、時宜にかなった支援活動になると思います。

支援活動の現場に立ってみて考えさせられることですが、支援活動は単純ではない、情況を見極め、被災地に置かれた人々を振る立たせていける、より効果的な支援を創造していくことが求められます。

継続的な被災者支援は状況に応じた支援、創造的な支援を生み出すことができるどうかにあるようです。それには現場に立つことです。

主よ、知恵をください。力をください。創造力を与えてください。共に担える働き人、支援者を起こしてください。

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