2011/04/01

広大な被災地

昨日、再度石巻と気仙沼に行ってきました。今回はすでに支援を申し出ておられる方々の思いを実現するための調整でもあり、情報収集でもありました。今回も現場に足を入れるたびに人間の無力感をまざまざと見せつけられます。気仙沼ではキングスガーデンの本部長に労していただき、気仙沼の象徴的な被災地を案内していただきました。実は本部長自身も、理事長、事務長の家も失いました。また20名数名ほどの職員たちもが被災者たちです。

とりわけ東浜街道から鹿折地区の惨状は現実の世界から全くの別世界に引き込まれる思いです。すでに多くの映像や写真がたびたびメディアで取り上げれていることもありますが、あえて自分自身がシャッターを切ることを意志的にやめました。全身の感覚で、このとてもつもない爆発的な自然の力を記憶にとどめることにしました。

帰りは、一関に出て高速を乗ることを勧められましたが、あえて45号線を下り本吉方面、大家海岸線を下り登米市を経由する道を選びました。キングスガーデンの理事会や教会奉仕で何度も通り慣れた道ですが、いったいここはどこを走っているのかと迷うばかりの光景が続きます。海岸線の波は実に静かであるのが印象的です。

何カ所か補修された道路を通過したのですが、かなり早いピッチでの修復工事に敬服するばかりです。三陸道、登米東和から乗りました。ところが石巻まで来たのですが、その先は少しも動かない。南インターから仙台方面に向かおうとする車で大変な渋滞でした。急遽、そこ下り、石巻から鹿島台に抜ける道を選びました。ほとんど車は通らず、順調に進み大和インターから東北道に乗り、仙台に戻りました。

帰り道、何をどうしたらいいのだろうか、悶々しながら車を走らせました。あまりにも広大な被災地に脱力感する覚えます。とにかく、知り得るクリスチャンたちを経由して、でき得ることを着実に進めていくことしかないのです。長期戦で責任ある自己管理をしながら目の前のことから一つづつ整えていきたいものです。

気仙沼だけでも避難場所は9箇所ほど、その中のケーウエーブには1000人ほどの人々が避難生活をしています。建設予定として打ち出されている仮設住宅は100戸ほどというのですから、今後さらに、多くの人々が非日常的な生活を余儀なくされます。気仙沼がこの現実ですから、他の被災地を考えればなおのこと、国家プロジェクトして町作りを描き、復興に取り組んでいただくことが必要だと思います。

一方、何とか、自分の家が残った人たち、なんと住める人たち、この人たちの再建はさらに困難を極めています。生活を取り戻すための後片付け作業が目の前にあります。当座のボランティアの対象はまさにこの人たちであると思います。

もうすでに支援の格差のようなものが出始めていようにも思います。私たちは「人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい。---- あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしなさい。」との主イエスの教えを心に秘め、本当に助けを必要としている方に出会うように取り組んでいきたいと願わされました。

災害復興支援SBSネットワークの大切にしたいことの一つに支援したいという方の心と支援を必要としている方の心とが共鳴できるような支援を実現したいと願っています。

最後に、兄弟たち。すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこと、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい。ピリピ4:8

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